私の人事経験、転職経験、そして独立後の求職者支援、採用コンサルティングなどを踏まえて、採用担当者、求職者の皆さまにコラムを書かせていただくことになりました。
 第1回は、求職者の気持ちを動かすというテーマで、採用担当者向けに書かせていただきます。

 私は、30代前半でエステ業界のエリアマネージャーとして転職をしましたが、入社後すぐに人事に配属になり、毎月50名の採用を命じられました。当時エステ業界は、大手3社が出店攻勢をかけおり、人材確保でもしのぎを削っていました。私も今日は札幌、明日は大阪というように全国を飛び回り採用活動をおこないましたが、当初は採用しなければいけないという意識が強かったのか、なかなか採用できず苦戦しました。せっかく現地まで出向いても応募者が誰も来ないという日や、採用できても内定を辞退されてしまうケースも多くありました。採用目標人数を達成しなければいけないということが優先してしまい、丁寧な対応ができていなかったのです。

 そしてあるとき採らなければという考えから、応募者の立場になりその人の人生を考えるという捉え方に切り替えることで、少しずつ採用が上手くいくようになりました。
 エステティック技術を習得することは一生の財産になり、人を美しくすることで、自らも磨かれるという応募者に寄り添い、丁寧な説明に切り替えました。そうすると応募者は、入社後の姿や自分の人生を具体的にイメージできワクワクした気持ちになり、やってみようという気持ちになります。営業で良く言われる顧客目線という捉え方です。

 多くの企業のなかから皆さまの企業を選択してくれた応募者に感謝の気持ちを持ち、丁寧な採用をおこなってください。求人広告や面接を通じて、応募者が入社後生き生きと働くイメージが描けるかという視点で考えてみることが大切です。

 

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谷所 健一郎(やどころ けんいちろう)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 https://cdomain.jp/index.html