採用がうまくいかない状況ですと誰でもいいから採用したいと考えるかもしれませんが、ターゲットを絞らず誰でもいいという採用では、求職者の気持ちを動かすことができませんし、戦力として活用できないかもしれません。いま注目すべき転職市場は、第二新卒と中高年の採用だと考えます。今回は、第二新卒についてお伝えします。

 第二新卒について明確な定義はありませんが、通常25歳以下で就業期間が3年以下の求職者と捉えます。
 新卒で入社した会社で思うような仕事ができず、転職を考えている第二新卒世代の25歳前後の方々が、求職者向けのセミナーに多く参加します。
 彼らのなかには、新卒時にやりたいことについて深く考えず、企業の知名度や規模の大きさなどで就職したのですが、実際仕事に就くと思うような仕事ではなく、仕事を通じてやりたいことについて気付いて転職を考える求職者が多くいます。
なかには、毎日混んだ電車で1時間以上かけて通勤することに嫌気がさして通勤時間が短い企業に転職したい人もいます。

 第二新卒の求職者の特徴として、現状に不満があるものの転職して上手くやっていけるか不安がありますので、充実した研修をおこないスキルや技術を身に着けられるなど、新卒採用と同様の手厚いフォローを打ち出す必要があります。
 また面接などで、なぜ短期間で辞めるのかと執拗に質問をすることで、入社意欲が減退します。退職理由を確認することは問題ありませが、退職理由にこだわらず、就きたい仕事への思いや自社で実現したい仕事などを見極めてください。


 仕事内容や自社の特徴に加えて、研修制度についても丁寧に説明しましょう。通常中途採用では、採用試験前に会社見学をおこなわない企業が多いのですが、小回りの利く中小企業ならば、採用試験前にフランクには話ができる場を設けることで、他者との差別化ができ求職者の理解を得られるだけでなく、入社後のミスマッチングを防ぐことができます。
 新卒採用では、長期間採用活動をおこなわなければならず、少なからず大手企業が有利な状況です。思うような新卒採用ができていいない企業は、あえて新卒採用にこだわらず、自社の魅力を打ち出したうえで積極的に第二新卒採用をおこなうことを考えてみてください。
 終身雇用制度が崩壊していくなかで、大手企業であってもこれまでのような積極的な新卒採用から中途採用へシフトしていくことが予想されます。学歴重視から職務能力重視の採用に代わっていくのです。
 今後の戦力として第二新卒をターゲットにした採用をぜひ検討してみてください。

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谷所 健一郎(やどころ けんいちろう)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 https://cdomain.jp/index.html